僕はなんで西尾維新が嫌いなのだろう?

僕は西尾維新が嫌いだ。
何も食わず嫌いならぬ読まず嫌いなわけじゃない。ちゃんと、読んだ上だ。化物語は買って読んだし、クビキリサイクルは立ち読みをしようとしたが耐えかねて数ページで棚に戻した。
そもそもライトノベルに耐性がないのもそうなった原因の1つかもしれない。しかし周りに物語シリーズが好きな友達もそこそこいて、アニメ化もされているのでアニメを見た。アニメならなんとか西尾維新イズムが少し薄らいでたので、先程終物語までちゃんと見終わった。

ここで言っておきたいのが嫌いなら読まなきゃいいじゃない、という指摘に対する弁明だ。いや、嫌いだよ?嫌いだけどスタンスで言ったらアンチに近いかもしれないけど、もちろん好きな部分もたくさんある。いわば愛情の裏返しってやつだ。(実際いろいろ辛辣な言葉を下に並べ立ててますが愛ありきです、信者さん許してw)
実際、物語シリーズに出てくるキャラは1人としてまともなやつがいなくて、全員キャラが立ちすぎている。ほんと、いいキャラしてる。僕は月火ちゃんが大好きです。
しかし、しかしながら。
どーも西尾維新の本を読み進めるのには気が進まない。吐き気にも近い嫌悪感が湧きだって来るのを感じる。なんでだろう?最初はうまく言語化できなかった。自分なりに考えて、最適とは言えないまでも自分の言いたいことにかなり近い表現を取るとするなら、
僕が西尾維新が嫌いな理由の1つに、彼の自己嫌悪という皮で包んだ強烈なナルシシズムを感じる、ということだ。
彼の物語に出てくる主人公は(阿良々木暦いーちゃんしか知らないけどw)基本的に自己批判的で自分を嘲笑しているんだが、それでありながら強烈なナルシストだ。
「僕は君のためなら死ねる」一見臭いこの表現を一周回ってかっこいい風に用いてるんだか、一周もしてないんだか、何周もしているんだか、そこはわからないが、強烈に自分に酔っていることは確かだ。表現を変えるなら、ひどく浅い。言葉遊びも嫌いじゃないが、彼の場合言葉遊びも意味ありげに使ってくる。言葉遊びに意味なんてないのだ、ただ遊んでいるだけ。彼もそういうスタンスで一見書いているのだが、どこか意味を持たせようとしてくる、そこが酷く醜い。別に胸に響く言葉を使え、だとかもっと重い深みのある物語にしろ、と言っているわけではない。ただただ気持ち悪い。それだけなのだ。あと読んでて、こいつわかってねえなあ。ってなる。うん、もはや単に自分に合わないだけなんだろうけどね。
彼の言葉って核心をついているようで何にもついてないんだよね。そこが気持ち悪いと感じる所以なのかなあ。
自己嫌悪に苛まれ自分を嘲笑こそすれ、ナルシストだし、意味なんかないよと弁解しておきながら、意味ありげに見せたがるし、抽象的な言い回しで物事の核心をついていそうで、まるでついていなくて、なんかこういう偽りにひどく敏感に反応しているのかな。
もちろんこれらはすべて彼の演出であり、すべてを計算してそう見せたいからそう見せている、ということもできる。ただ、そうだとしてもやはり自分はこのスタイルは好きではない、と言うのみだ。
そういう意味では僕は村上春樹も嫌いだし、ハルキストも嫌いです。
とまあここまで色々文字を並べ立ててみたけど、結局のところ、好みでしかないわけで。
合う合わないで言うと合わなかったまでのことです。なんだってそうでしょ。特に人間関係。どちらが悪いわけでもない、ただ何かが少し間違ってすれ違って、掛け違えただけ、みたいな。よくあることです。


追記
以前、僕の他の記事に書いている文章も十分気持ち悪いというコメントを頂いた。改めて読み返すと確かに気持ち悪い。笑
もちろん僕は西尾維新の足元にも及ばないほどの文章力だけど、それは一旦置いておいて、彼には同族嫌悪に近い何かがあって過剰に反応しているのかも?と感じた、そういうのあるよね、たぶんね。