終わらない撮影会

 この前普段なら絶対に行かない部活の飲み会に顔を出した。追いコンも兼ねてあるので、多少はお世話になった先輩方にありがとうの意味も込めて、乗り気ではなかったが出席した。僕は飲み会が好きか嫌いかで言うと好きだ。もちろんメンツによるが。1日の16時間くらいは1人で過ごしたい癖に、2時間くらいは誰かと関わって話すことが好きだ。特にお酒はトークの摘みであり、スパイスであり、触媒であるので大切だ。世の男子と同じように、他愛もなくて抽象的で無意味な空想に花を咲かせる。それはとても大切な時間だ。しかしこの前の飲み会は違った。メンツにははなから期待はしていない。華々しい大学デビューからその初期衝動を忘れることなくはや数年と言った顔ぶれの数々。飲むことと他人にハラスメントを加えることが彼らの至上命題であり、果たさなければならない使命なのだろう。ここまで体育会系で育った僕はそれにも多少慣れているから今日もやり過ごすつもりだった。が…。

 飲み会が始まってからかれこれ2時間。撮影会が終わらないのだ。今や猫も杓子も持っているスマホに搭載された(圧倒的に無駄な)高機能カメラを使ってパシャリ。メンツを少しだけ変えてパシャリ。しかも、話が盛り上がったからその流れで撮ったというものでもない。まったく話していない人の所へ誰かが絡みに行き、そして謎の記念写真を撮るのだ。正直これが何の意味があるのかまったくわからなかった。そして飲み会が終われば今度はLINEに作られる大量のアルバム。時代に取り残された自分は本当に理解に苦しんだ。写真ってなんだろうね。